湯灌(ゆかん)とは?親族として立ち会った感想と料金や服装

湯灌(ゆかん)の儀

現代における一般的な湯灌(ゆかん)の儀とは、亡くなった方を棺に納める前に、専用の浴槽とシャワーで全身を洗い流す儀式で、近しい親族が立ち会う事が多いようです。

先日、親族として、湯灌に立ち会いました。初めての経験でした。

実は、十数年前に、ご高齢の知人女性がご主人様を亡くされた際、亡くなられた時のご主人様について、「体を綺麗にシャワーで洗ってもらった。湯上がりの様に物凄く綺麗になって、あれはやってもらう価値が有ったわ・・・」とおっしゃっていたのが、ずっと頭に残っていたのですが、その事が何という名称なのかは、今回まで私は全く知りませんでした。

私は、身内が他界した折には、是非それをお願いしたいと思っておりましたし、他の親族も同じ想いでしたから、迷うことなく湯灌をお願いしました。

 

湯灌を行ったタイミング

お通夜の当日の午前中に行いました。

 

湯灌を行った場所

今回、お通夜とお葬式は、セレモニーホールで行いましたので、湯灌もセレモニーホールの和室の安置室にて行いました。

 

湯灌に立ち会った人数

立ち会ったのは、直系の親族一同で、小さな子供達も含め総勢14名でした。

 

湯灌を行った室内の状況

準備ができた部屋に、親族一同が案内されると、細長くて浅い浴槽に故人が横たわっており、首から下には、花模様入の紫色の薄い布が被されていました。スタッフは男性1人と女性1人がおられました。

 

湯灌の流れ

まず、洒水(しゃすい)の儀を行いました。立ち会った親族が交代で、逆さ水(水に熱いお湯を入れて温度を調節したもの)を入れた桶から柄杓で水をすくい、左手で逆手(外側へ柄杓を傾けて)で、故人の足元から胸元に水をかけるお清めの儀式です。

逆さ水も逆手も、葬儀の際には通常とは逆の方法で物事をとり行う“逆さごと”の一つで、死は非日常であるべきという願いから、いつもとは逆の方法で物事をとり行う習わしで、いつもとは逆にとり行うことで、死というものと、生きている人の領域とを区別するようにしたものです

親族は洒水の儀式のみの参加で、後は全てスタッフの方がしてくださいました。

スタッフの方が(半透明の薄いゴム手袋をはめられて)全身を綺麗に洗ってくださいました。足の指の間も石鹸を泡立てて丁寧に洗っておられました。髪の毛もシャンプーとリンスをしてくださいました。故人を横向きにして背中を洗ってくださった時、スタッフの方が「床ずれなども無くきれいです」とおっしゃってくださいました。顔の産毛を剃っていただき、爪も切っていただきました。シャワーで洗い流す行程も含め、全てにおいて、親族には、肌は一切見えない様にしてくださいました。

全身を洗い終えた後、親族は一度その場を離れました。次に部屋に呼ばれた際には、先に安置されていた布団の上に、白い着物を着た故人が横になっていました。髪の毛もドライヤーで乾かしていただいたらしく、サラサラでした。

故人が女性の時は、スタッフの方が、薄化粧を施してくださいました。

 

 

湯灌の所要時間

湯灌の開始から終了まで1時間ほどでした。

 

湯灌に立ち会う時の服装

湯灌に立ち会う時は、地味目な平服で構わない様です。

 

湯灌の料金

今回の湯灌の料金は、消費税別で8万円でした。( 2018年)

 

湯灌を行った感想

私は、親族として初めて湯灌に立ち会った日から1ヶ月半後に、まさかの2回目の立ち会いをしました。

故人は二人共、亡くなる前に、何週間もお風呂に入れなかったので、最期はサッパリさせてあげたかったですし、湯灌の後は、髪の毛もサラサラで顔も手も綺麗なので、お通夜やお葬式の時に、棺の中の故人に触れる時にも、湯灌をして良かったと思いました。